クラウドコンピューティングとは?メリットや種類について説明
クラウドコンピューティングという言葉は以前からある言葉です。
クラウドコンピューティングは多岐に渡っており、うまく活用できるか、できないかで企業の業務効率化及び生産性向上に大きく影響を与えるモノです。
そして、クラウドコンピューティングの恩恵を最も受ける企業の要素は「人・物・金・情報」といえるでしょう。
本記事ではクラウドコンピューティングについて、どのようなメリットや種類があるのかを解説していきます。
1. クラウドコンピューティングとは?
クラウドコンピューティングとは、クラウド環境(インターネット上の環境)で用意されているコンピューティングサービスを意味します。
クラウドコンピューティングにはサーバー、ストレージ、ネットワーク、メール、ソフトウェア、ホームページ、データベースなど多岐にわたります。
最近では意識しないでもクラウドコンピューティングを利用しているケースも多いのではないでしょうか?
2.クラウドコンピューティングのメリット
自社の仕事においてどの部分がクラウドコンピューティングを利用しているか?
または、どの部分をクラウドコンピューティングに置き換えれば、どのようなメリットが享受できるか気になる方もいらっしゃるでしょう。
まずはクラウドコンピューティングのメリットについていくつかご紹介します。
●導入および運用コストが低い
クラウドコンピューティングでは、ハードウェアやソフトウェアの購入費用はもちろん、データセンターのセットアップや運用するためのコストがほぼかかりません。
本来はIT専門家に費用を支払い、サーバーラック、電源確保、保守メンテナンスをするための費用が必要であり、この費用はすぐに膨れ上がり経営を圧迫していました。
●スピーディーにサービスを開始でき、恩恵を享受できる
クラウドコンピューティングはほとんどがオンライン申し込みであり、セルフサービスになっています。
サービスを選び申し込みが完了するまでほぼ数クリックで終わる場合も珍しくありません。
そのため企業は柔軟に対応することができ、事業規模が変わればスケール変更も可能です。
●マルチデバイスに対応
クラウドコンピューティングによるサービスはマルチデバイスに対応しています。
インターネットにさえ繋がっていれば、パソコン、タブレット、スマートフォンなどの端末(デバイス)を問わずサービスを利用することができます。
生産性向上にも繋がるため、テレワークなどの導入促進にもいい影響を与えます。
●生産性向上
クラウドコンピューティングではハードウェアとソフトウェアのメンテナンスが不要となるため、自社の情報処理部門はビジネス目標の達成に必要な主要業務に時間をかけることが可能になります。
もし、自社でハードウェアからソフトウェアまで全てを調達すると、主要業務以外に保守業務が発生するため情報処理部門の生産性は下がります。
●信頼性
多くのクラウドコンピューティング・プロバイダーでは、データのバックアップはもちろん、障害発生時のリカバリー対策を徹底しています。
ビジネスの継続性を最優先で保護するための措置で、プロバイダーではネットワーク上でシステムを二重化(片方がダウンしても、もう片方ですぐ復帰できる)しています。
●高いセキュリティ
クラウドプロバイダーでは、セキュリティ対策を徹底しています。
お客様のデータ、アプリ、サーバーなどのインフラなどを様々な脅威から保護するサービスを支援しています。
3.クラウドコンピューティングのデメリット
クラウドコンピューティングは導入、運用コストも低く、様々なデバイスに対応しています。
また、運用中の障害やセキュリティ対策も万全で多くの会社で導入されています。
しかし、導入するに当たって「できないこと」もあることを知っておく必要があります。
●カスタマイズに限りがある
プロバイダーが提供しているサービスにつき機能は完成されています。
オーダーメイドシステムではないため、カスタマイズできる機能には制限があります。
業種が特殊できめ細かいサービスが必要な場合はクラウドコンピューティングが不向きな場合があるかもしれません。
そのような場合は必要な部分だけをクラウド化することも選択肢に入れておくといいでしょう。
●社内システムと連携できない恐れ
カスタマイズ性と通じる話ですが、社内独自システムと併用するクラウドコンピューティングを検討する場合は社内システムとの連携のしやすさが重要になります。
クラウドコンピューティングを検討する場合は、事前に社内システムとの連携ができるか、できないか確認することが大切です。
●利用中にサービスが終了する恐れがある
クラウドコンピューティングを提供しているサービスが突然、サービス停止になる場合がないともいえません。
大手企業が提供しているクラウドコンピューティングであれば、それほど心配の必要はないかもしれません。
クラウドサービスを導入する場合は、提供元企業の過去の実績や評判、会社規模などもチェックすることが重要になります。
4.クラウドコンピューティングの 3 つの選択肢
クラウドコンピューティングは大きく分けて SaaS, PaaS, IaaS の 3 つの提供形態があります。
技術的な難しい話は控えて、ここではクラウドコンピューティングには 3 種類あるということを概要の説明と、どのようなサービスがあるのか紹介します。
SaaS とは?
SaaS は Software as a Service の略語で、ソフトウェアのみ機能を提供するサービスです。
身近な例を紹介すると次のようなモノがあります。
■Google Workspace
最も身近なサービスとして Gmail, Googleドライブ, Googleカレンダー、Googleドキュメント、Googleスプレッドシートなどが含まれています。
Google Workspace | ビジネスアプリとコラボレーション ツール
https://workspace.google.co.jp/intl/ja/
■Microsoft 365
現在、Microsoft が提供する Excel, Word, Power Point などはウェブ版も存在しており、出先などでも自由にファイルにアクセスすることが可能です。
また、Enterprise Mobility + Security と言った強固なセキュリティーサービスなども提供されています。
Microsoft 365 の紹介 | Office アプリ、クラウド サービス、セキュリティの統合
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365
PaaS とは?
PaaS は Platform as a Service の略語で、ソフトウェアの開発環境とソフトウェアを稼働させる環境(プラットフォーム)もコントロールできるサービスを提供します。
SaaS と違い利用する企業(ユーザー)は自社で必要な機能を開発し、運用する形態を取ります。
■Google App Engine
Google が提供する PaaS サービスです。
一般的なプログラミング言語であるNode.js、Java、Ruby、C#、Go、Python、PHP でアプリケーションを構築できます。
App Engine アプリケーション プラットフォーム | Google Cloud
https://cloud.google.com/appengine/
■Microsoft Azure
Microsoft が提供している PaaS サービスです。
App Service – Web アプリの構築とホスト | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/app-service/
IaaS とは?
IaaS とは Infrastructure as a Service の略語で、自社で開発したソフトウェアを動かすための基幹システムも含めてコントロールできるサービスです。
システム開発者が自社のニーズに合わせて自由にカスタマイズできる領域が IaaS が一番広いです。
SaaS < PaaS < IaaS( IaaS が最も自由にカスタマイズできる)
■AWS Elastic Beanstalk
AWS は Amazon Web Services の略語で、Amazon が提供しているサービスです。
昨今ではウェブサーバーを自社で持たず、AWS を利用している企業もたくさんあります。
AWS Elastic Beanstalk(ウェブアプリの実行と管理)| AWS
https://aws.amazon.com/jp/elasticbeanstalk/
■Google Compute Engine
Google Compute Engine は Google が提供する IaaS サービスです。
AWS も同じですが、自社でデーターセンターを持つ必要が無く低コストで、価値の高い環境を利用する事が可能です。
Compute Engine: 仮想マシン(VM) | Google Cloud
https://cloud.google.com/compute/
5. まとめ
コンピュータシステムとはパソコン、スマートフォン、ソフトウェアなどを用意し、基幹サービスを運用し、最大限の利益を出せるシステムのことをいいます。
クラウドコンピューティングは従来のコンピュータシステムをクラウド(インターネット上)に構築し、ビジネスのスピードを高めて、運用コストを下げるメリットがあります。
御社のコンピュータシステムにおいてお困りのことはないでしょうか?
弊社がよく伺うお困りごとには次のようなモノがあります。
・情報の共有にメールを好む社員が多く、グループウェアが有効活用されず社員間で情報格差があり、ビジネスのスピードが加速しない(メールユーザに足を引っ張られる)。
・スケジュール管理が共有できず、誰がテレワーク中で誰が出社をしているのか分からず無駄な時間を作ってしまう。
・社外で営業マンが会社に戻らないと資料不足などで情報が確認できず、機会損失に苦しむことが多い。
これらは問題のごく一部ですが、最適化されたクラウドコンピューティングを導入すれば解決できる事ばかりです。
もし、少しでもクラウドコンピューティングについて関心を持たれましたら、まずは現場社員の声に耳を傾けてはいかがでしょうか?